Disturbingなコンテンツ

閲覧注意。心がかき乱されるような内容です。

『死化粧師オロスコ(Orozco the Embalmer)』

世の中には様々な職業がある。会社員や公務員のように多くの人間が就くものから、医者やモデル、スポーツ選手など憧れの的となりやすいものまで、その種類は非常に多い。

そしてその中には当然目立たないが社会には必要不可欠な職業が存在する。それは汚く、きつく、高給でない職であったりもするのだが、その仕事をする人々がいなければ世の中が上手く回らなくなる場合も考えられる。

このショックメンタリー映画は、まさにそうした職業の人間に焦点をあてた映画である。刺激の強い映像が含まれる映画であるので、毎度のことながら以下閲覧注意!である。

 

 

 

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コロンビアの首都ボゴタ、その中でも特に治安が悪いとされる地域エル・カルトゥーチョ。そこでエンバーマーとして働く男性がいた。名をフロイラン・オロスコ・デュアルテという。

エンバーマーの仕事は死体に防腐処理を施したり、葬式に向けて故人に化粧をすることだ(エンバーミング)。この時点で「この仕事やってみたい!」と思う人は少ないと予想できるだろう。様々な方面で免疫がないと辛い仕事であると思う。

この男性はその昔警察として働いており、ときには民主を弾圧したり拷問を働いたりしたことがあったそう。しかし後にそのことを悔いてか、この職に転身し最低限の値段で数多くの死体をエンバーミングしてきた。休みはほとんど取らず重労働を次々と、ひたすらこなしていた。前職で仕事のためとはいえ人を傷つけ、ときには命を奪ってきたことがやはり苦しかったのだろうか。

この映画ではそんな彼の仕事の様子を見ることができる。死体を台の上に乗せ、腹を切り開いて内臓を出し、水で洗って腹を縫って塞ぐ。鼻や口に綿をつめ、服を着せて棺桶に入れる。これを1人でやる。低給でやっているためか器具などは恐らくほとんど安物だろう。メスに至ってはエンバーミング用のものかどうかも怪しく思える。そんな環境で彼が働く様を見ていく。

この映画に著しい欠損のある死体はない。見ててきついものといえば内臓がずるりと出てくるところだとか、あとは死体にメスを入れたり縫ったりするシーン。あとは1箇所だけ頭部の皮を裏返すなんていう変わった作業工程なんかも出てくるが(この作業はオロスコとは別の人間が行っている)、基本的にこれらの光景は見ていれば慣れてくるものだと思っている。これ以外にゴアな表現はほとんど無いため、衝撃的な映像はあることにはあるもののそれがこの映画の本質であるとは思わない。

この映画の本質は知り、学ぶことだと思う。つまり教育的な映画であるともいえる。当然子ども(やゴア耐性のない大人)に見せていいものではないが、それでも学べることは多いと思う。もし見られるのなら映像をしっかり見た方が良い。まずコロンビアのスラム街、死体がそこらに転がっている風景。人々は死体を見ていちいち叫んだりしない。横を素通りしていくし、子どもたちも中高生ぐらいになると狼狽えない。こんな光景は日本では考えられない。

そして死体が新たに見つかれば人々はどうする。当然警察が来て、そしてその場で検死が行われる。死体を見にぞろぞろと集まった人々の前で服を脱がせ、そしてようやく運び込む。死体を隠そうとはしていないように思える。これも治安の悪さが影響しているのだろうか。

オロスコは実に5万体もの死体を処理してきた。これほどまでの数の死体を相手にできたのはオロスコだから、というのもあるだろうが、そうとは言えこの仕事は過酷である。彼はこの重労働によりヘルニアを患い、ついには亡くなってしまった。しかし彼の働きを誰が否定できようか。防腐処理により疫病の蔓延を防ぎ、人々の暮らしを守ってきた。また最初から綺麗な状態で残っている死体などほとんど無いため、それを綺麗な状態に整えて葬儀に出し、遺族に見送ってもらうことは死者の尊厳を守ることに繋がる。社会的地位だとか、給与だとか、もちろんそれらも大事だが彼のように表に出にくい職業の数々がどれほど社会の役に立っているかを、私はこれまで以上に考えることとなった。そして同時に、それらを生業とする人々にこれまで以上に敬意を抱いている。

私が思うに『死化粧師オロスコ』は教育的な側面をもつ映画である。先述した通り、ならばといって馬鹿正直に子どもに見せるなんてことをしてはいけないが、世界の実情と世の中を支える職業について学ぶことができるという点で良い作品、いや良いショックメンタリー映画だと思う。例えば、ただ死体の解剖のような過激映像を見て悲鳴を上げたいだけならば『ジャンク (Faces of Death)』シリーズでも見れば良い。しかし、この映画はただのそういった過激映像集ではないことを私は強調したい。自分で見ることで何か思うところが出てくるはずだ。ある程度耐性がある方は是非見てみてほしい。

MDPOPE(Most Disturbed Person on Planet Earth)

世界最悪の映画の1つとされる作品『MDPOPE』を見てきたのでその報告をしようと思う。

先に言っておくが世界最悪とされているのはクオリティが低いとかいう話ではない。悪趣味な内容しか含まれていないという意味である。

f:id:JLD:20240329023530j:imageまずこちらの画像を軽く見ていただきたい。こちらはDisturbing movie icebergという画像で、要はこの世に存在するものの中でも特に恐ろしく、見てしまえばトラウマを植え付けられるような映画をレベル別に紹介したものだ。

この画像の1番下の区に本作品の名がある。これはこの作品がこの世に存在する映画の中でもトップクラスに危険な内容であることを示している。

そんな映画を無事最後まで見切ることができたので、早速その刺激的な内容に触れていこう。

以下閲覧注意!今までの記事の中でも特に恐ろしい内容です!自己責任で!

 

 

 

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上映時間は約2時間半、61種類の過激映像が次々と流れてくる。映像によっては複数の属性を持つためその場合は重複して数えていることを前提とすると、性的な映像が34種類、汚物が11、動物虐待が11、暴行が9、身体改造が8、殺人/死体が6、そして奇形映像が4種類含まれているという感じ。ちなみに本作は映画と言っているが、当然これらの映像(の少なくとも大部分)は作り物ではない。アニメ映像とかは別だが。

61種類の映像全てを紹介すると長くなると思うので、属性ごとに「これは特にひどい!」と思った映像を紹介していこうと思う。

まず1番多かった性的映像から。私が1番目を背けたくなったのは、行為後に女性が脱肛しているところを映している映像である。海外ではGoatse Girlという名で知られている。私はこの映画でいくらでも汚物を見てきたが、その汚物よりもこの脱肛を見る方がきつかった。グロすぎる、まるでエイリアンゲームにでも出てきそうな真っ赤な巨大ワームであった。出来ればもう2度と見たくない。

汚物映像で1番きつかったのは女性2人が嘔吐し合う映像だ。嘔吐し合うという言葉が自分で言っててもなんかおかしい気がするのだが、まぁとにかくそんな映像だ。大便が出てくる映像を見ても大便をしたくはならないが、嘔吐している映像を見るとこちらまで吐きそうになる。なので私はこちらの方が苦手なのだ。

順番的に動物虐待の映像を紹介する番だが、諸事情でこちらは最後に回す。

暴行映像で1番きつかったのは13歳の子どもに対する暴行映像だ。子どもがこの対象となるのはとても悲しいことで、行為自体は殴られたり蹴られたりしているだけだが、子どもの怯えた表情を見るととても平常心ではいられない。ちなみに他には妊婦に対する暴行や男性を集団でリンチする映像もあり、どれが1番ひどかったかを決める際には結構迷った。

身体改造映像でひどかったのはやはり男性が尿道にドライバーを入れている映像だろう。しかもこの男、よりにもよって持ち手(柄)の方を入れている。正気か?そしてこのドライバーを抜き出すのだが、その際に血が出ている。冷静に出血を見つめている場合か?さっさと処置をしろと言いたかった。もしかしてこの出血さえも楽しんでいたのだろうか。もしそうであればもうこの男にかける言葉はない。

殺人/死体部門では「ウクライナ21」と呼ばれる映像がきつかった。こちらは検索してはいけない言葉にも載っている。「おっさん2人」や「1 lunatic 1 ice pick 」も本作に有る。人によってはこれらの方がきついと思うだろうか。そう言う人がいても全くおかしくはないぐらい、きつい映像が多かったように思う。

奇形映像では…正直そこまできつい映像はなかった。奇形の男性、女性がそれぞれ行為をしている映像や股間辺りが異様に大きく膨らんでいる男性たち、またアレが8本生えている男性の映像があった。しかし繰り返すがトラウマになりそうな映像はない。

そして最後に動物虐待の映像。これは2本紹介させていただこう。1本目は女性がハイヒールで子猫を踏み殺す映像。こちらは目を的確に踏み抜いていたので私は目を堪らず逸らした。そしてもう一本は、女性が兎をハイヒールで踏み殺す映像だ。どちらの女性も笑いながらこれをやっており、私はいらだちを感じながら見ていた。そしてこの映像が本作のラストを飾っていたので、私はとても不愉快な気分でこの映画を見終えることとなったのだ。この文章を打っていてもため息がでる。

 

MDPOPE、正式名称をMost Disturbed Person on Planet Earthというが、これは本作の制作者自身のことを指しており「地球上で最も心をかき乱された人」という意味である。これだけの悪趣味映像をかき集め、MDPOPEとして一本の映画にまとめ上げるという作業を経ればどんな人間もトラウマを抱えるだろう。本当にひどい映画であった。

危険な映画と言われるとどうしても好奇心が湧いてくる人がいると思うが、この映画は特に自分の心臓の強さに自信を持っている人だけが挑戦した方が良いと思う。体調を崩してまで見て、それで得られるものがこの映画にあるとは…到底思えない。

『Banned from Television』

ショックメンタリー映画の一角、『Banned from Television』を見てきた。この映画は『ジャンク/死と惨劇』『ジャンクフィルム』などのように死体や事故現場の映像を映していくものではなく、事が起きているまさにその瞬間の映像が見られる映画である。

f:id:JLD:20240325123220j:imageDisturbing movie iceberg(トラウマ映画をレベル分けしたリスト)ではトラウマレベル6/8。ショックメンタリー映画は基本的にこのレベルであるので順当な評価である。

110分ほどの上映時間に約63種類の記録映像が流れる、その中でも特に印象に残った映像を紹介していこう。

以下閲覧注意!

 

 

 

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12本目の映像、火災ビルから人が堪らず飛び降りてしまう。かなり高い位置から飛び降りたので、地面に激突したときに成人の膝〜腰の位置まで体がバウンドするというものすごい映像だ。

22本目の映像。ピットブルという種類の犬が家から飛び出して人の手に思い切り噛みつき、暴れる。飼い主はこの犬に人を襲わないようにしつけをするのを怠っており、また管理もずさん(玄関のドアを安易に開いたことが直接的な原因)であったように思える。被害者がどれほどの怪我を負ったのかは映像ではよく分からなかったが、相当強く噛まれていたことは確かだろう。

28本目の映像。気球が不安定な状態になり揺れていたところ、人が落ちてしまう。その人は電線に絡まり感電、程なくして地面に激突した。その人に近しい人だろうか、その一部始終を見て泣き叫ぶ声が響いていた。確か助からなかったはずだ。

34本目、メキシコ大統領の暗殺。人だかりに囲まれて歩いていたところ、急に銃を持った手が現れて頭の側面を撃ち抜いた。あっという間の出来事であり呆然とした。

40本目、この映像を見た時には声が出た。逃走車両が道路を爆走していたが、目の前の信号は赤信号に。しかしこの車は止まる事なくそのまま交差点を横切ろうとしたところ、横から大型トラックがすごい勢いで走ってきて逃走車を轢いていった。

43本目、街中で牛が大暴れ、人々を次々と跳ね飛ばしていく。そして次のターゲットは目の前の女性。この人も一度突進されて終わりかと思ったら、この牛は女性を角で倒し、かち上げ、頭上でジャグリングをする。女性の体は牛の上で1回転し、中々地面に落ちない…と思ったら落ちた、がまたかち上げられる。これほど執拗にボコボコにされる映像は珍しかった。女性は大怪我を負ったが一応生きているという。

54本目。列車がもうすぐ通り過ぎるということで警笛が鳴らされており、人々は急いで渡ったり足を止めたり。さぁそろそろ列車も来るかなと思ったところで、画面端から急いで渡ろうとする人が走ってくる。私の「おいばかばかばかばか!」という静止も届かず女性は列車に轢かれ、体がバラバラになることはなかったがものすごい勢いで(狂った物理演算のように)カメラに向かって突っ込んでくるところで映像は終わった。列車が怖くはなかったのだろうか、ちょくちょく轢かれる人がいるそうだが…

58本目、市民をしばく警官。この市民は別に犯罪者というわけでもなく、ただ車を走らせていたところを止められた人たちだ。なのに警官はこの人たちを警棒でばしばし叩くし、少しでも口ごたえしようものなら強めのビンタをお見舞いする。終いには別れ際に車に向かって発砲さえする。どうなってるんだ南米の警官は。

62本目、そして最後の63本目の映像では犯罪者たちがそれぞれ銃殺刑や火刑をくらう。銃殺刑は止めの発砲を頭に行うのがちょっとショッキングだったし、火刑は燃える犯罪者をただただ皆して静かに見ているのがなんとなく嫌だった。

 

『Banned from Television』は他のショックメンタリーと少し違い、事後というよりは事の真っ最中をカメラに収めている記録映画である。その点でアクション映画っぽさ(?)があって見ていて退屈は全くしなかった。友だちと見たら結構盛り上がりそうだと思ったので個人的にはかなりおすすめの映画である。耐性がある方は挑戦してみてはいかがか。

『August Underground』

今日の映画レポートは『August Underground』について。この映画はDisturbing movie icebergのリストにも載っている、悪趣味映画である。下の画像の上から3つ目の区画に本作の名前がある。f:id:JLD:20240319153611j:image

トラウマ度を数字で表す場合、最高レベルが8とすると本作は3である。毎度言うが『ムカデ人間』のレベルは2であり、レベル3には他に『ソドムの市』『食人族』『マーターズ』などがある。つまり一般映画(?)の中では最上級のえぐさであると言えよう。

ちなみに本作は3部作のうちの1作目であるが、続きを見る予定は今の所ない。気分次第である。

それでは本編に入っていこう。以下閲覧注意!

 

 

 

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野外で水撒きをしている男。その男にカメラマンはついていき、建物の中に入る。

地下に続く階段を下っていくとそこには裸で椅子に拘束された女性がいる。血まみれで既に色々されていたようだ。よく見ると左の乳首がない…切り取られている…

浴槽を映すとそこには男性の死体が。こちらは既に息絶えているのか。カメラを女性の方に戻し、なんか喋りながらバケツの中の黄色い水を頭からかけた。これはまさか…いや、ただの腐った水の可能性もあるが…。そういえば周りに茶色く汚れたバケツもあったが…まさかな。

この女性、相当腹が減っている様子。男たちはりんごを食べさせてあげるふりをして遊んでいる。

急に映像が切り替わって、車を運転している画になる。女性を車に連れ込んで、「お金あげるから体見せてよ」的なことを言っている。女性は渋々(というか怖がっているかもしれない)体を見せてあげると喜ぶ男たち。しばらくして男の1人が外に連れ出し、楽しもうとする。カメラマンは車に残ってその様子を撮影。

すると急に男が女性を押し倒してマウントポジションをとり、顔面を殴打する。ひたすら殴り続けていると、カメラマンはめちゃくちゃ笑っている。この人たちは女性とあれこれするよりも暴力を振るう方がよっぽど好きなのだろうな。

カメラの映像がまた切り替わると、今度は犬が映る短い映像。ここだけ見ると普通の飼い主という感じで、先ほどまでの映像にあったような残虐性は全く見られない。この映画はこんな感じで、度々関係のない(過激でない)映像が紛れて流れてくる。しかし今後はこういったシーンは無視していく。

さきほどの拘束された女性の続き。恐らくこの女性のものと思われる便を胸につけたり口元に持って行ったり。当然この女性は顔を背けるが、それを見てカメラマンはキレ出す。怖すぎるだろう、さっきまで笑ってたのに。

隣でノコギリを持って、男性の死体をギコギコと解体しているお仲間。やはり悪臭はするのかトイレにゲロを吐いている、それを見てやはり笑うカメラマン。ふと女性を見ると、胸からさっきつけた便がポロッと落ちた。それを見てまた大笑い。このカメラマンは「箸が転んでも笑う」ならぬ「便が落ちても笑う」男のようだ。

この女性で遊ぶのはまだ終わらない。特に祝うこともないだろうが頭からビールかけたり、男性の死体から切り取った足の肉の一部を口に入れてテープで口を塞いだり。

また映像が飛んで、小さなコンサート会場へ。観客がバンドの演奏を楽しんでいると思ったら、いつのまにか乱闘が始まっている。それは建物の外に移動した後も続いており、さっきまで非道な行いをしていた男もそこにいた。乱闘が収まっていくときもこの男は似た体型の男性に掴まれたままで、恐らく暴れようとしていたのを止めてくれていたのだろう。この人はいい仕事をした。

映像が前後しているが、次に映るのはぐったりしている先ほどまでの地下室の女性。全く動かないところを見ると、恐らくもう…。

次の悪行のターゲットはおばあちゃん。荷物を持ってあげる好青年を演じておきながら、家に上がり込めば殺害してしまう。…その手に持っているのは歯茎か?そんなもの手に持つんじゃないよ。

コンビニでもこの男たちは止まらない。何度か店員を挑発した後、店を追い出されるがすぐに戻ってくる。店員を刃物でひと突きしたら、客のカップルに暴行を加えて、彼氏に彼女の尻を嗅がせる。彼女にも同じことをさせる…のかと思ったら急にバットで頭ゴンするし、気分屋にも程がある。

次の現場はビデオショップか?と思ったらタトゥーを入れてくれる店のようだ。兄弟で経営しているようだが、この2人は連れ去られ皆さまご存知の地下室へ。1人は椅子に拘束されもう1人は地面に倒れ伏している、恐らくもう駄目なんだろう。カナヅチで死体を叩いているところをもう1人に見せ、「しっかりとお前の兄弟を見ろ!」と叫ぶと男性は絶望の表情を浮かべる。やがてその男性も頭をカナヅチで殴打され意識を失う。

次は2人の売春婦?を部屋に呼びつけ4人でいい雰囲気に。そこそこ楽しんだ後に、カメラマンではない方の男と1人の女性が地下室へ先に向かったらしい(地下室ということは…もうお分かりですね)。

しばらくしてカメラマンともう1人の女性も地下へ向かうと…男が倒れた女性の頭をカナヅチで殴りつけているではないか。それを目撃した女性は叫びながら出口へ向かう。当然それを逃すつもりのない男が階段を駆け上がるが、スリムとはいえない体型のために軽快な身のこなしができなかったのか階段で躓いてしまい、距離を離される(カメラマンは一体何をやっているんだろうか)。

結局女性は外へ逃げ出し、男たちが急いで後を追いかけているところで映像は切れる。ここでエンドロールへ。

 

この映画…友だちと見ても盛り上がらないだろうなと感じる。一般的な殺人鬼映画は、例えば殺人鬼がかっこよかったり面白かったりで魅力的なことが多いと思う。しかしこの映画の殺人鬼役は多少喧嘩が強いと思われる太めの男と笑っているだけのカメラマンなのだ。どう頑張っても魅力は見つけられない。

また残虐シーンについても、他の映画なら「うわっグロいな今の!」とか「残酷だ〜!」と盛り上がりそうなところ本作は「ひでぇ…」ぐらいの感想しか出てこない。

これは作品のリアルさを追求しているからだと思われる。通常の映画なら残酷なシーンを色々な角度から、場合によっては高倍率でズームなどしたりして撮ることも可能である。

しかし本作は「犯人の1人が持っていたビデオカメラを覗いたら発見した映像」を模した作品であるため、通常の映画に比べて色々と制限があるのだ(被害者の破壊された頭部をじっくり映したいが、角度的に犯人の背中と被って見えない、など…)。また、犯人の魅力が必ずしもあるとはいえないのもリアルな点であるし、殺害方法も現実志向のために変わったギミックを使うわけにもいかず結局カナヅチで殴り殺すパターンが多くなってしまうのも仕方ないと思える。

私の結論としては、1人で見るのに適した映画だ、ということだ。もっとも、この映画を見て「楽しかった、見てよかった〜」と思えるかどうかは…保証できない。

『ソドムの市(Salo, or the 120 days of Sodom)』

普段はショックメンタリー映画ばかり見ている私だが、今回はストーリーのある過激な映画を見てみようと思い、「Disturbing movie iceberg」に載っていた悪趣味映画『ソドムの市』を選んだ。f:id:JLD:20240315210102j:image

レベルは8が最高だとすると本作は3。一見しょぼく見えるが、あの『ムカデ人間』ですらレベル2であるのでこの映画もただものではないことが分かる。レベル3には他に『ミッドサマー』『食人族』『グリーンインフェルノ』など。

以下内容に入っていくので…閲覧注意。

 

 

 

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権力者たちに連れてこられた若者たち20人ぐらい。服を脱がされ裸を見せることを強要される。男子も。品定めをされるようにジロジロ見る権力者たち。

1人脱走を試みるも撃たれる。無念。車の中から「果たして逃げ切れるかな?」と愉快そうに見ている寄り目のおっさん。

ピアノの演奏をバックになんか言ってる女性。映画視聴前からちょくちょく聞いていた情報によると、この女が碌でもないことを口走るために若者たちは変なことに巻き込まれていたらしい。ある意味元凶。

脱走を図った女子も捕まった。無念。

裸で働かされている女子たち。その内1人が男に襲われ、アレされる。するとすごい絶叫。その様子を見ていた寄り目のおっさんが立ち上がり…ん?あれは自分の尻を周囲に見せびらかしているのか?変態だなぁ。

そうしてこの変態は襲われている女性の元に近づいてやっぱりひどいことをするのか、と思ったら襲っていた男の方にアプローチしていき、結局彼に尻を差し出す。な、え、一体何が起こっているんだこの空間は?色々起こりすぎだろう!構ってもらえて嬉しそうなおっさん。

皆の前でマネキンといちゃつかせられる女性。しかし上手くできないのか(そもそも皆に見られているあの状況で誰が上手くできるのか)、自信なさげ。するとここで男性が見本を見せる。「こうするんだぞ!」と。まぁ…いい勉強になったんじゃない?

扉を開くと喉を切られて殺された女の子。逃亡を図った子かな?

結婚式をさせられる男女。周りにいた若者たちは観客役をやらされていたが結局退出させられる。注文が二転三転するので忙しい。そして残された2人はいちゃつくことを命じられる。しょうがないのでいちゃつくか…とその気になってきたところで「やっぱり俺らがやる!」と男たちが乱入、新郎新婦が襲われる。どんな結婚式だよ。更にはもう1人別の男が来て、襲っている男の尻を堪能。本当にどんな結婚式だよ…。

権力者が若者の女性とトイレへ。小便器と大便器があるが、女性に大便器を使わせて自分はもう一方を。しきりは無し、女性をガン見しながら小を済ませる男…事案でしょ。

犬の真似をさせられる若者たち。餌付けもできる。こうして尊厳を破壊していくのか。

見終わった後で書いているので詳しいことは忘れたが、生意気なことをした女の子が釘を何かに入れて食わされる。血がダバーと出て痛そう。私も見ていて嫌な顔をした。

男の子好きダルマ髭親父が突然排泄をし出した。この男に恥の概念はない、無敵である。そしてそれをスプーンで女性に食わせる。当たり前だがめちゃくちゃ嫌そう。まぁでも反抗できないので食うしかないね。

そしてこの地獄は皆に共有される。全員で(権力者たちも)排泄物の食事会をすることに。全くもって普通の料理のように食べる寄り目のおっさんの隣には、その顔を見た瞬間にもう食べる気がないことが分かる男性。しかし食事会で飯を食べないことが許されるはずもなく、隣のおっさんによって通常の数倍のペースで口に料理を運ばれてしまうのであった。

最終盤には拷問&処刑が行われる。ようやくグロシーンが登場。股間を炙る、胸も炙る、舌をナイフで切る、絞首刑に処す、目をナイフで切って目玉を取り出す、おでこを切って頭皮を剥がそうとする、鞭で打つ、胸に焼きごてを当てる…と怒涛の残酷行為。特に目と皮剥ぎが見てて嫌だったなぁ…。そして最後まで希望が見えずに終了。

 

いやぁ、悪趣味な映画だった。権力者たちが変態で性格も悪いとなるとこういう結末になるのも当然だったか。自分の上に立つ人間は選びたいものだ。

映画『Inhumanities』

ショックメンタリー映画の1つ、『Inhumanities』を視聴したのでレポート。Inhumanitiesとは残虐行為を意味する言葉で、まさにその通りの映像がたくさん見られる。ちなみにこの映画、トラウマを植え付けられるような様々な映画をランク付けした概念「Disturbing movie iceberg」で言うならレベル8中の6…と私は勝手に思っている。ショックメンタリー映画はレベル6相当であると言われているので(『世界残酷物語』や『ジャンク』はしっかり名前が載っている)、この映画も同様にレベル6相当であるはずだ。そして私の主観ではこの2作品より過激度は高い。その過激な内容を、今から紹介していこう。

 

以下閲覧注意!

 

 

 

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今回も内容がたくさんある映画なので、印象に残ったものを抽出して紹介していこう。

順番が前後する紹介の仕方になるが、この映画は部族がたくさん出てくるのでまずは部族映像についてまとめて語っていこう。

この映画の制作者は部族の踊りがよほど好きなのか、部族の習性について語っている時などは部族が踊っている様子をひたすら映している。首狩り族にとっての首を狩ることの精神的な意味を話す時も、部族に伝わる仕来たりについて話しているときも、関係ない話をしているときもひたすら画面に映っているのは踊っている部族。正直途中から部族が映り出した瞬間にうんざりするようになっていた。

しかしもちろん部族が踊っている以外の画もある。例えば序盤に部族がハイになりながら同じ部族の女性を生贄として焼き殺すシーンもあれば、毒矢を作ってサイを倒したり食人したり。なるほど振り返れば過激な映像も確かにあるのだが、まぁそれ以外の映像は踊りだと思ってしまって構わないだろう。もっとも、後半に皆で楽しそうに踊っている映像は好きだ。子どもたちも笑顔。

ここまで書いてから重要なことを思い出した。この映画で恐ろしい2大シーンのうち一方は部族の映像であったのだ。その映像とは、部族による頭部切開手術だ。頭をナイフで切り開いて頭蓋骨ら辺を治療する。私はショックメンタリーをある程度見慣れているので手術映像にも耐性があるが、このシーンだけは本当にきつかった。この映像には真の恐ろしさがあり、それは麻酔なしで施術している点だ。もちろん患者は意識がある。一度休憩を挟むが、手術が最後まで終わるまで患者は一度も意識を手放さない。もちろん手術中は患部をしっかり映しているので、真っ赤な頭が丸見え。恐ろしい…珍しく私が直視できない映像であった。あっぱれ。

そしてその直後の映像こそが、2大閲覧注意シーンのもう片方である。今度は病院内の映像で、子どもたちが映っている。様々な難病の子どもたちが映ってるな〜と思っていたら突然出てくる、目に腫瘍のある子ども。ただ腫瘍がでかすぎて私は呆気にとられてしまった。表現が難しいが、腫瘍のある左目は右目の2倍の大きさとなっていて、上半分に白目と黒目(眼球)が見えるのだが下半分は腫瘍そのものである。肉の塊で目が圧迫されていた。人間、本当にすごいものを見ると「え、えぇ!?」と驚いてつい笑ってしまうものだ。

そして動物を狩りまくったり、内戦で人間を殺しまくったりする映像。どちらも対象の扱い方が雑で、捕虜たちなどが可哀想であった。戦争とはそういうものだと言われればそれまでだが。
そして色々映した後に、最後の映像。男女が結婚の儀式として亀を殺してその血を飲んだり体に塗ったりしているのだが…私はなんかこの映像が嫌いである。この映画でさんざん見てきたのは食べるためだとか、金のために動物を狩る映像だ。それは結局生きるために必要なことだったりする(密猟は許されることではないが、まぁまだ生きるための手段ではある)。しかしこの映像はどうか。曰く、亀の血を体に塗ることで元気な子が生まれるという言い伝えがあるらしい………が、そんな言い伝えのためだけに動物を殺すのが私は気に入らない。せめて亀の体に少し傷をつけて血を少量回収するとかでもいい気がするのだ。なぜ亀1匹殺さないといけない?

この映像が最後であるため、男女のロマンチックな雰囲気でこの映画を終わらせようとしているのだが私はずっとムカムカしていた。自然界の弱肉強食はしょうがないことであるし、内戦や密猟は行為自体よろしいことではないだろうが結局意味はあるものである(「自分たちの土地を主張する」だとか「生きるのに金が必要」だとか。決してその行為自体を支持しているわけではない!)

しかし根拠のないまじないのために命を絶たせるのはどうかと思う。生贄もそうだ。結局私が口出しすることではないだろうが、それでもこれは私の勝手な意見である。別に誰かに賛同してもらおうなどとは思っていないので聞き流してもらって結構だが。

そんなわけで、以上を鑑賞レポートとする。良い意味でも悪い意味でも印象に残った作品であった。

ギロチンは意外と最近まで使われたらしい

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皆さん、ギロチンはご存知だろうか?フランス発祥の、首をスパッと切る処刑装置のことである。

世界史に強い人ならこの装置について、ルイ16世あたりだとか、マリー・アントワネットあたりの年代で使われていたというイメージがあるだろう。その通り、ギロチンは1792年から議会で正式に処刑装置として認められ、そこから使われていたのだ。

ちなみに私は正直知らなかったことだが、第二次世界大戦前、1939年にはまだ使われていたらしい。私は第一次世界大戦頃には既に使われなくなっていたものと勝手に思っていた…

この「1939年にはまだ使われていた」というのは、1939年6月17日に行われたオイゲン・ヴァイトマン(Eugen Weidmann)の死刑執行があってのことで、これは「最後の公開処刑」であったという(最後の「使用」ではない)。つまりこれ以後もギロチンは使われていたことは使われていたが、市民がこの光景を見られるのはこれが最後だったという。いや、公開処刑自体想定以上に最近のことだったんだなと、これだけでもびっくりなのだが…

では、ギロチンの最後の使用はいつだったのか。この記事を読みながら予想をしていた人もそうでない人も、そろそろ正解発表といこう。正解は…

 

 

 

1977年である。1977年9月10日、この日にハミダ・ジャンドゥビに対して行われた処刑にて使用されたとのこと。

1970年代…映画で言えばジョーズ悪魔のいけにえ(テキサスチェーンソー)、エクソシストあたりになる。戦後もしばらく使われていたとは…

皆さんは上手く予想できただろうか。今回の記事は短めだがここまでとする。くれぐれも処刑されることのないように生きていこう。

あ、そうだ。調べている最中にちょっと面白い話を見つけたので紹介しよう。

ギロチンは正式名称を「ボワ・ド・ジュスティス (Bois de Justice)」といったらしいが、設計者アントワーヌ・ルイ(Antoine Louis)の名をとって「ルイゾン (Louison)」、「ルイゼット (Louisette)とも呼ばれていた…が、この装置を正式な処刑装置とする提案を議会でしたジョゼフ・ギヨタン (Joseph Guillotin)の姓からギヨティーヌ、ギロチンと呼ぶことに落ち着いていったという。

ちなみに本人はこのことが気に入らず、結局姓を変えたらしい。

 

参考文献: R. F. Opieによる書籍『Guillotine』